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20代で証券会社からの転職を成功させる戦略

この記事で解決できるお悩み
  • 20代の証券会社勤務者の年収目安を知りたい
  • 証券会社で身につくスキルを転職でどう活かせるか知りたい
  • 20代で証券会社から転職する際の失敗しない進め方を知りたい

20代で証券会社のリテール営業に携わっていると、「このまま働き続けてよいのか」「今の経験は他社でも評価されるのか」「年収を落とさずに転職できるのか」と悩む人は少なくない。

結論から言えば、20代で証券会社に勤めた経験は、転職市場でも十分に活かせる。ただし、評価されるのは「証券会社にいたこと」そのものではなく、数字で説明できる実績、顧客と向き合った経験、コンプライアンスを守りながら成果を出したプロセスである。

また、証券会社の年収水準は一般的に高めに見られやすい一方で、転職先によっては一時的に年収が下がることもある。転職を成功させるには、年収・働き方・専門性・将来性のうち、何を優先するのかを整理しておくことが重要だ。

まず、この記事の要点を整理すると以下の通りである。

確認したいこと結論
20代の年収会社・職種・賞与・評価制度で差が大きい。
公的統計では証券外務員全体の年収を確認できるが、20代限定の平均としては見ない方がよい。
転職で評価される経験新規開拓、資金導入、預り資産の拡大、ストック収益、顧客対応、コンプライアンス意識、金融知識など。
20代前半の転職第二新卒として業界・職種を変えやすい。
営業経験に縛られすぎず、選択肢を広く見ることが大切。
20代後半の転職年収・実績・専門性が見られやすい。
異業種へ大きく変えるなら、理由と再現性の説明が重要。
失敗しない進め方自己分析だけで決めず、求人・評価制度・現場情報を集めたうえで、現職・内定先・将来像を比較する。

この記事では、20代の証券会社勤務者がキャリアを考えるうえで押さえるべき年収目安、身につくスキル、転職先の選択肢、選考対策、内定後の確認ポイントを解説する。

証券会社出身のエージェントが担当

目次

20代の証券会社勤務者の年収目安とキャリアの考え方

20代で証券会社からの転職を考えるとき、まず気になるのは年収とキャリアパスだろう。

証券会社は、若いうちから高い目標を持ち、経営者・富裕層・個人投資家と接する機会がある。そのため、短期間で営業力や金融知識を鍛えられる環境である一方、評価制度や働き方が合わずに早期転職を考える人もいる。

ここでは、年収の見方、証券業界の変化、年齢別のキャリアの考え方を整理する。

証券マンの20代年収は「会社・評価制度・賞与」で大きく変わる

20代の証券会社勤務者の年収は、一律に平均を語りにくい。大手証券、銀行系証券、準大手・中堅証券、ネット証券、IFA関連会社などで給与体系が異なるうえ、同じ会社でも営業成績・支店評価・賞与原資によって差が出るためだ。

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、証券外務員が属する職業分類に対応する統計情報として、全国の賃金(年収)は664.5万円、年齢は40.4歳とされている。ただし、これは20代に限定した平均ではなく、管理職や経験者を含む職業分類上の数値である。

したがって、20代の年収を見るときは「証券外務員全体の統計」と「自分が所属する会社・職種・評価制度」を分けて考える必要がある。

確認項目見るべきポイント
固定給基本給、地域手当、住宅補助、転勤手当などを確認する。
賞与個人評価、会社業績、支店評価、部門評価の反映度を見る。
評価指標手数料収入だけでなく、資金導入、預り資産、ストック収益も確認する。
残業代働き方改革や残業時間の変化で、過去の年収イメージと違う場合がある。
転職後の年収初年度年収だけでなく、昇給、賞与、インセンティブ、将来の上限を見る。

大手対面証券のリテール営業では、20代でも同年代の会社員より高い年収を得るケースがある。一方で、以前のように「若手でも短期売買の手数料で大きく稼ぐ」というイメージだけで判断するのは危険である。

近年は、顧客本位の業務運営、預り資産の拡大、ストック型収益、長期的な顧客関係を重視する流れが強まっている。短期的な売買手数料だけで評価される環境から、顧客の資産形成に継続的に関わる力が求められる環境へ変わりつつある。

証券会社で高収入を得る条件|短期売買より顧客基盤と預り資産

証券会社で高収入を得る条件は、単に「たくさん売ること」ではなくなっている。もちろん営業成果は重要だが、現在は成果の中身がより細かく見られる。

特に評価されやすいのは、以下のような実績である。

  • 新規開拓による顧客基盤の拡大
  • 資金導入額や預り資産の増加
  • 投資信託・ラップ・債券などによるストック収益の積み上げ
  • 富裕層・法人オーナー・経営者との長期的な関係構築
  • コンプライアンスを守りながら成果を出す営業姿勢

短期的な販売実績だけでなく、「なぜその顧客にその提案をしたのか」「顧客の資産状況や意向をどう把握したのか」「どのように信頼関係を築いたのか」まで説明できる人材は、社内評価だけでなく転職市場でも評価されやすい。

反対に、成果は出ていても、提案プロセスや顧客本位の姿勢を説明できない場合、同業他社や金融関連職種への転職では不安材料になることがある。

証券業界は「縮小」ではなく「求められる役割が変化」している

証券業界に不安を感じる20代は多い。対面営業の店舗数減少、ネット証券の拡大、手数料競争、デジタル化などを見れば、従来型のリテール営業に変化が起きていることは確かである。

日本証券業協会のFACT BOOK 2025では、2024年度末の会員の国内店舗数は1,932店で、前年度末比42店減少したとされている。一方で、金融商品仲介業者の登録外務員数は2025年12月末時点で10,885人まで増えている。

つまり、店舗型の対面営業だけが伸びる時代ではなく、富裕層向け営業、IFA、ウェルスマネジメント、デジタルを活用した資産形成支援など、顧客との接点が多様化していると見るべきである。

証券会社に残る場合も、転職する場合も、「自分はどの顧客層に、どのような価値を提供できるのか」を言語化することが重要になる。

20代のキャリアパスは前半と後半で考え方が変わる

20代の証券会社勤務者の転職は、大きく分けると22〜25歳前後と、25歳以降で考え方が変わる。

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年齢主な考え方注意点
22〜25歳第二新卒として、業界・職種を広く見やすい。
営業以外の選択肢も検討しやすい。
「営業経験があるから営業しかない」と決めつけない。
年収だけでなく、成長環境を見る。
25〜29歳実績・専門性・年収水準が見られやすい。
金融同業、M&A、コンサル、ベンチャーなど選択肢は広い。
生活水準が上がり、年収ダウンを受け入れにくくなる。
転職理由と将来像を明確にする。

22歳から25歳

22歳から25歳前後は、いわゆる第二新卒として見られやすい年齢である。

この時期の転職理由は、大きく2つに分かれる。1つは「証券営業が自分に合わないため、業界や職種を変えたい」という理由。もう1つは「証券営業で一定の経験を積んだので、早めに次のステージへ進みたい」という理由である。

前者の場合、営業職だけに絞る必要はない。1〜3年程度の社会人経験では、採用側も完成された営業スキルより、素直さ、学習意欲、行動量、基本的なビジネスマナー、ストレス耐性などを見ていることが多い。

そのため、「証券営業が合わない=営業職すべてが合わない」と決めつける必要もなければ、「営業経験がある=次も営業しかない」と考える必要もない。

マーケティング、カスタマーサクセス、企画、コンサルタント、SaaS営業、人材、金融事務、M&A関連職など、20代前半だからこそ挑戦しやすい選択肢もある。

一方で、「早めに次のステージへ行きたい」という場合は、そのステージが何を意味するのかを明確にする必要がある。年収を上げたいのか、富裕層営業をしたいのか、専門性を高めたいのか、転勤のない働き方をしたいのかによって、選ぶべき転職先は大きく変わる。

成果が出ていて、さらに年収を上げたい場合は、M&A仲介、同業他社のウェルスマネジメント部門、プライベートバンク、IFA関連会社などが候補になる。

転職するか迷っている段階であれば、資格取得もリスクヘッジになる。日商簿記2級、宅地建物取引士、CFP、CMA、CFAなどは、目指す職種によって有効性が変わる。資格そのものだけで転職が決まるわけではないが、金融・会計・不動産・資産運用への関心や学習継続力を示す材料にはなる。

25歳以降

25歳以降は、担当顧客や実績が増え、年収も20代前半より上がっていることが多い。その分、転職時の判断は難しくなる。

現職の年収が高い場合、異業種へ移ると初年度年収が下がる可能性がある。反対に、M&A仲介や外資系金融、成果報酬色の強い営業職では年収アップを狙える可能性もあるが、ハードワークや成果責任も大きくなりやすい。

この時期に重要なのは、「何を捨てて、何を取りに行くのか」を決めることである。

重視するもの検討しやすい選択肢
年収アップM&A仲介、外資系金融、成果報酬型営業、ハイレイヤー向け人材・SaaS営業など
金融専門性ウェルスマネジメント、プライベートバンク、運用会社、銀行・信託、IFA関連会社など
働き方の安定金融機関の本部職、事業会社の財務・IR・経営企画、金融事務、カスタマーサクセスなど
裁量と成長環境ベンチャー、スタートアップ、コンサルティング会社、新規事業部門など

ベンチャー業界は、公開情報が少ない企業も多く、会社の見極めが難しい。面接で聞いた話だけを鵜呑みにせず、事業の継続性、資金調達状況、組織体制、評価制度、離職率、上司になる人の経歴などを確認したい。

M&A業界は、営業成績が出ており、経営者との折衝や新規開拓に前向きな人に向いている。ただし、証券営業よりも案件化から成約までの時間軸が長くなりやすく、短期で成果が出ない期間に耐える力も必要になる。

コンサルティング業界は、会社規模や業態によって求められるスキルが大きく異なる。大手ファームでは論理的思考力、資料作成力、学歴、語学力、プロジェクト推進力などが見られやすい。中小規模のコンサル会社では営業要素が強い場合もあるため、仕事内容を具体的に確認する必要がある。

いずれの選択肢でも、現職の不満だけで転職先を決めるのは避けたい。現職に残った場合、異動した場合、転職した場合を比較し、3年後にどの経験を積んでいたいかを基準に考えることが大切である。

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20代に証券会社で働くことで身につくスキル

証券会社で働き続けることに不安を感じている20代の人は多い。しかし、証券会社のリテール営業で身につくスキルは、転職市場でも活かしやすいものが多い。

証券外務員の仕事には、商品や市場動向の情報収集、顧客の資産状況の把握、金融商品の説明、売買注文の取次ぎ、問い合わせ対応、資産運用のアドバイスなどが含まれる。

つまり、単なる営業力だけでなく、金融知識、情報収集力、顧客理解、提案力、リスク管理、継続的な関係構築力が鍛えられる仕事である。

目標を達成する力

証券会社で身につく代表的なスキルは、目標を達成する力である。

証券リテール営業では、資金導入、預り資産、収益、ストック収益、新規開拓、顧客数、商品別販売額など、複数の指標で成果を求められる。評価指標は会社や時期によって変わるが、変化する目標に対応しながら成果を出す経験は、他業界でも評価されやすい。

転職活動で重要なのは、単に「目標を達成しました」と伝えることではない。どのような目標に対して、どのような行動を取り、どのような成果を出したのかを数字で説明する必要がある。

例えば、職務経歴書では以下のような情報を整理しておくとよい。

  • 資金導入額、預り資産の増加額、ストック収益などの実績
  • 同期・支店・エリア内での順位
  • 担当顧客の属性、担当件数、開拓した顧客層
  • 新規開拓の方法、訪問・架電・紹介獲得の工夫
  • 受賞歴、表彰歴、後輩育成やチーム貢献

同期間で上位に入る実績や、支店・エリアで表彰される実績があると説得力は増す。ただし、順位が高くなくても、再現性のある行動プロセスを説明できれば評価される可能性はある。

新規開拓手法を例にすると、以下のような伝え方の差がある。

「1日100件の電話営業をしてきました。」

この表現だけでは、行動量は伝わるが、工夫や再現性が伝わりにくい。

営業店から徒歩圏内のオーナー企業をリスト化し、業種・決算月・代表者年齢・資産背景を仮説化したうえで、週単位で架電と訪問を継続しました。接点が取れた企業には市況資料を事前送付し、初回面談では運用提案ではなく資金ニーズと事業承継の課題把握を優先しました。

このように、成果に至るプロセスを具体的に話せると、面接官は「別の環境でも成果を出せそうだ」と判断しやすくなる。

コミュニケーションスキルの重要性

証券会社で働くと、顧客、上司、同僚、本部、商品担当者など、多くの関係者とコミュニケーションを取ることになる。特にリテール営業では、相手の知識量や関心度に合わせて説明する力が求められる。

転職活動では、面接での受け答えそのものがコミュニケーション力の評価対象になる。最も基本的なのは、質問に対して結論から答えることである。

例えば、以下のような回答は注意が必要だ。

志望動機を教えてください。

入社から現在まで、証券営業としてお客様のために努力してきました。実績としては、支店内でも一定の成果を出してきました。30歳を迎えるにあたり、今後のキャリアに課題を感じております。

この回答は、努力や実績には触れているが、「なぜその会社を志望するのか」への答えが弱い。

改善するなら、以下のように結論から話すとよい。

志望理由は、証券営業で培った富裕層向けの課題把握力を活かしながら、より長期的な資産形成支援に携わりたいと考えたためです。現職では預り資産の拡大と新規開拓に取り組んできましたが、今後は商品販売だけでなく、顧客のライフプランや事業承継まで踏み込んだ提案力を高めたいと考えています。

面接では、話の上手さよりも、質問の意図を理解し、端的に答え、根拠を補足できるかが見られる。

情報収集力と提案力

証券会社の仕事では、市場動向、金利、為替、企業業績、商品特性、税制、相続、事業承継など、幅広い情報を日々アップデートする必要がある。

この経験は、金融同業への転職だけでなく、コンサル、M&A、事業会社の財務・IR、SaaS営業などでも活かしやすい。なぜなら、情報を集め、顧客の状況に合わせて提案し、意思決定を支援するという流れは、多くのビジネス職に共通しているからである。

ただし、転職活動では「金融知識があります」だけでは不十分だ。どのような情報を、誰に対して、どのように提案し、どのような成果につなげたのかを説明する必要がある。

例えば、M&A仲介なら経営者の資本政策や事業承継課題をどう捉えるか、SaaS営業なら顧客課題をどう整理して導入メリットを伝えるか、事業会社の財務・IRなら金融市場の知識をどう企業側の意思決定に活かせるかが問われる。

リスク管理とコンプライアンス意識

証券会社で働く人には、高い倫理観とコンプライアンス意識が求められる。

金融商品は顧客の資産に直接関わるため、説明不足、適合性の確認不足、過度な勧誘、誤解を招く表現は大きな問題につながる。そのため、証券会社でルールを守りながら成果を出してきた経験は、転職市場でも強みになる。

採用する側は、成果を出せるかだけでなく、「トラブルを起こさず、信頼して任せられる人材か」も見ている。特に金融、M&A、コンサル、富裕層向けビジネスでは、この観点が重要になる。

営業成果へのこだわりと、顧客本位・規定遵守のバランスを説明できる人は、同業・異業種のどちらでも評価されやすい。

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20代で証券会社から転職を成功させるポイント

ここまで、20代の証券会社勤務者の年収、キャリアパス、身につくスキルを整理してきた。

ここからは、実際に転職活動を進める際のポイントを解説する。

転職活動では、内定を取ることも大切だが、それ以上に「入社後に後悔しない選択」をすることが重要である。会社の規模が小さくなり、年収も下がり、仕事内容も合わなかったという状態にならないよう、事前準備を丁寧に行いたい。

自己分析とキャリアの棚卸し

転職活動を始める際は、自己分析とキャリアの棚卸しが重要である。

ただし、20代の場合、自分だけで完璧な自己分析をしようとすると、かえって選択肢を狭めることがある。特に証券会社しか経験していない場合、他業界の職種や評価基準を知らないまま「自分には営業しかない」と決めつけてしまうことがある。

そのため、最初は大まかに自分の希望を整理し、その後に求人情報や転職市場の情報を集めながら修正していくのが現実的である。

まずは、以下の3つを整理するとよい。

やりたいこと

最も重要なのは、自分が本当に望んでいることを言語化することである。

年収を上げたいのか、富裕層ビジネスに携わりたいのか、転勤のない働き方をしたいのか、金融以外の業界に挑戦したいのかを整理する。

最初から実現可能性を考えすぎる必要はない。まずは希望を出し、その後に求人や市場価値と照らし合わせて調整するとよい。

できること

これまでの業務で成果を出したこと、周囲より得意だったこと、顧客や上司から評価されたことを整理する。

資金導入、預り資産、表彰、顧客開拓、法人オーナーとの折衝、資料作成、後輩育成など、できるだけ数字や具体例で棚卸しする。

20代前半は可能性を狭めすぎる必要はないが、20代後半になるほど実績の説明が重要になる。

許容できないこと

やりたいことが明確でない場合でも、許容できない条件は整理しやすい。

例えば、全国転勤は難しい、長時間労働は避けたい、年収は一定以上を維持したい、個人向け営業は続けたくない、といった条件である。

ただし、許容できない条件が多すぎると選択肢が狭くなる。絶対条件と、できれば避けたい条件を分けて考えることが大切である。

自己分析をした後は、キャリアの棚卸しを行う。

棚卸しでは、以下のように「実績」「プロセス」「再現性」を分けて整理すると、職務経歴書や面接で使いやすい。

棚卸し項目整理する内容
実績資金導入額、預り資産、収益、順位、受賞歴、担当顧客数など。
プロセスどの顧客層に、どのような仮説で、どうアプローチしたか。
強み新規開拓、関係構築、情報収集、提案、粘り強さ、数字管理など。
改善点現職で限界を感じている点、次の環境で伸ばしたい点。
希望条件年収、勤務地、働き方、職種、業界、評価制度、将来の専門性。

自己分析だけで転職先を決めるのではなく、情報収集と棚卸しを往復させながら、自分に合う選択肢を絞っていくことが重要である。

転職市場での自分の価値の伝え方

自己分析と棚卸しができたら、次は自分の価値を転職市場でどう伝えるかを考える。

証券会社出身者が評価されやすいのは、以下のような点である。

  • 高い目標に対して行動量を担保できる
  • 金融商品や市場に関する基礎知識がある
  • 経営者・富裕層・個人投資家との折衝経験がある
  • 数字で実績を管理する習慣がある
  • コンプライアンス意識を持って顧客対応できる

ただし、これらを抽象的に伝えるだけでは不十分である。自己紹介や職務経歴書では、数字や事実を先に置き、その後に考え方や強みを補足すると伝わりやすい。

例えば、「新規開拓が得意です」ではなく、「法人オーナーを中心に新規開拓を行い、年間で〇件の面談を設定し、〇万円の資金導入につなげました。その際、決算月や資金ニーズを仮説化してアプローチ先を絞り込みました」と伝える方が説得力がある。

転職先別に、見られやすいポイントは以下の通りである。

転職先見られやすいポイント
同業証券・銀行・信託預り資産、資金導入、商品知識、顧客属性、コンプライアンス意識。
ウェルスマネジメント・PB富裕層対応、法人オーナー対応、相続・事業承継への関心、長期的な関係構築力。
IFA関連会社顧客本位の提案姿勢、商品選定力、紹介獲得力、自己管理能力。
M&A仲介新規開拓力、経営者折衝、粘り強さ、長期案件に耐える力、財務・会計への関心。
コンサルティング論理的思考力、資料作成力、課題整理力、学習速度、プロジェクト推進力。
ベンチャー・SaaS営業プロセスの再現性、顧客課題の把握力、変化への適応力、自走力。

応募先によって評価されるポイントは変わる。職務経歴書や面接の話し方も、応募先の業界・職種に合わせて調整する必要がある。

求人票だけでなく現場情報も集める

転職活動において、信頼できる情報を集めることは非常に重要である。

求人票や採用ページだけでは、実際の働き方、評価制度、上司との相性、残業時間、営業スタイル、顧客層まではわかりにくい。できれば、実際にその会社で働いている人や、過去に在籍していた人から話を聞きたい。

知人に該当者がいない場合でも、友人・同期・先輩・SNS・転職エージェントを通じて情報を集められることがある。

近年は、自社社員からの紹介による採用を行う企業も多い。企業側にとっても、入社前に相互理解を深められるメリットがあるため、失礼のない範囲で積極的に情報収集するとよい。

ただし、個人の体験談だけで判断するのも危険である。複数人の話、求人票、面接での説明、エージェントの情報を照らし合わせて、総合的に判断することが大切である。

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20代の証券会社勤務者が気をつけるべき転職活動の注意点

転職活動では、受ける会社を決めた後、書類作成、面接、内定後の比較という流れで進んでいく。

注意したいのは、選考途中から「内定が出たらどこへ行くべきか」を考えすぎて、目の前の選考対策が疎かになることだ。まずは内定を取る。そのうえで、現職と内定先を冷静に比較する。この順番で考えると、転職活動に集中しやすい。

履歴書・職務経歴書の書き方

第一段階として、履歴書と職務経歴書は極めて重要である。書類が通過すれば、面接で評価を上げるチャンスが生まれる。反対に、書類で魅力が伝わらなければ、実力があっても面接に進めない。

特に重要なのは職務経歴書である。

  • アピールとなる成果は、絶対数値と相対順位の両方を記載する
  • 資金導入、預り資産、ストック収益、表彰歴などを具体的に書く
  • 担当顧客の属性や営業スタイルを記載する
  • 成果に至るプロセスを簡潔に書く
  • 自己PR欄では、応募先で再現できる強みを伝える

キャリアが浅い場合、「顧客対応力」「提案力」といった抽象的な表現だけでは説得力が弱い。入社2年目や3年目であれば、完成されたコンサルティング力よりも、行動量、学習意欲、吸収力、目標達成への姿勢、新規開拓への粘り強さを伝える方が評価されやすい場合もある。

20代後半で実績がある場合は、数字だけでなく、どのような顧客層に対してどのような提案をしてきたのかを整理しておくとよい。特に富裕層、法人オーナー、経営者、相続・事業承継ニーズのある顧客への対応経験は、金融同業やM&A、ウェルスマネジメントで評価されやすい。

守秘義務や社内規定に抵触する情報は記載してはいけない。顧客名や個別取引の詳細ではなく、顧客属性、提案テーマ、成果の範囲、行動プロセスで表現することが大切である。

面接での自己PRのコツ

面接での自己PRは、職務経歴書の内容と一貫している必要がある。

自己PRで重要なのは、強みを言い切ることではなく、根拠を示すことである。例えば「粘り強さが強みです」と話すなら、どのような目標に対して、どのような困難があり、どのように乗り越えたのかを具体的に伝える。

面接では、以下の流れで話すと整理しやすい。

順番話す内容
1. 結論自分の強みを一言で伝える。
2. 背景どのような環境・目標・課題があったのかを説明する。
3. 行動自分が具体的に何をしたのかを話す。
4. 結果数字や評価で成果を示す。
5. 再現性応募先でどう活かせるかを伝える。

強みがうまく見つからない場合は、転職エージェントとの面談や、信頼できる先輩・同僚との会話を通じて棚卸しするとよい。自分では当たり前だと思っている行動が、他社では評価される強みになることもある。

また、退職理由と志望動機の一貫性も重要である。現職の不満だけを話すのではなく、「現職で得た経験を踏まえて、次に何を実現したいのか」を前向きに説明する必要がある。

内定後は年収・評価制度・ノルマを比較する

内定取得後は、その会社に入社すべきかを冷静に判断するフェーズである。

ここでは、現職と内定先を比較する必要がある。複数内定がある場合は、現職・内定先A・内定先Bを同じ項目で比較すると判断しやすい。

特に確認したい項目は以下である。

確認項目確認すべき内容
年収基本給、賞与、インセンティブ、残業代、手当、初年度と2年目以降の見通し。
評価制度何を達成すれば評価されるのか。個人評価、チーム評価、会社業績の影響。
営業スタイル新規開拓中心か、既存顧客中心か。紹介、反響、テレアポ、訪問などの比率。
顧客層個人、富裕層、法人、経営者、金融機関、事業会社など。
働き方残業、休日対応、転勤、出張、リモート可否、繁忙期。
コンプライアンス営業目標と顧客本位のバランス、社内ルール、研修体制。
将来性3年後にどのスキルが身につくか。社内異動や昇進の可能性。

特にM&A業界へ転職する場合は、業界の規律や顧客保護の流れも理解しておきたい。中小M&Aガイドラインでは、仲介者・FAの手数料、提供業務、利益相反、広告・営業、最終契約後のリスクなどについて説明の重要性が示されている。業界の成長性だけでなく、健全な営業姿勢が求められる点も押さえておくべきである。

迷った場合は、内定先に追加面談を依頼したり、担当エージェントに確認したりするとよい。入社前の疑問を残したまま意思決定すると、入社後のギャップにつながりやすい。

転職活動のゴールは、内定を取ることではなく、納得して次のキャリアへ進むことである。

証券会社出身のエージェントが担当

証券会社で働いている20代の方は、ぜひ転職エージェントに相談を

20代で証券会社から転職する場合、自分のスキルとキャリアを棚卸ししたうえで、転職市場の情報を集めることが重要である。

証券会社で培った営業力、金融知識、情報収集力、顧客対応力、コンプライアンス意識は、多くの業界で活かせる可能性がある。

一方で、証券会社の年収水準や評価制度に慣れていると、異業種転職で年収や働き方のギャップを感じることもある。そのため、求人票だけで判断せず、業界ごとの評価基準や入社後のキャリアパスを確認することが大切である。

転職するか迷っている段階でも、現職に残る選択肢、同業で専門性を高める選択肢、異業種へ挑戦する選択肢を比較しておくと、後悔の少ない意思決定につながる。

特に20代後半で年収が上がっている場合は、転職先の初年度年収だけでなく、3年後のキャリア、身につく専門性、評価制度、働き方まで含めて比較したい。

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20代の証券会社勤務で転職を考えている人に関するQ&A

証券会社からの転職で有利になる資格はある?

目指す職種によって異なる。金融専門職や運用関連を目指すならCMAやCFA、富裕層向けの資産相談ならCFP、事業会社の財務やM&Aを見据えるなら簿記、金融と不動産を絡めた提案をしたいなら宅地建物取引士が役立つことがある。ただし、20代の転職では資格だけでなく、営業実績・顧客対応・学習意欲・再現性のある行動プロセスも重視される。

20代で証券会社を辞めるのは早すぎる?

早すぎるとは限らない。20代前半であれば第二新卒として業界や職種を変えやすく、20代後半であれば実績を活かして専門性や年収アップを狙える可能性がある。ただし、「つらいから辞める」だけではなく、次の環境で何を実現したいのかを整理してから動くことが大切である。

証券会社以外で20代の高収入を目指せる業界は?

M&A仲介、コンサルティング、外資系金融、SaaS・IT営業、人材領域、ベンチャーの事業開発などは、成果や専門性によって20代でも高収入を狙える可能性がある。ただし、入社難易度、ハードワーク、成果責任、インセンティブの変動幅も大きいため、年収だけでなく評価制度や働き方も確認したい。

出典

厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「証券外務員」
金融庁「顧客本位の業務運営について」
金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」(改定日:2024年9月26日)
日本証券業協会「FACT BOOK 2025」(公開日:2025年8月29日)
日本証券業協会「金融商品仲介業者の登録外務員数(2025年12月末現在)」(公開日:2026年2月16日)
日本証券業協会「外務員」
中小企業庁「中小M&Aガイドライン」
経済産業省「『中小M&Aガイドライン』を改訂しました」(公開日:2024年8月30日)
日本証券アナリスト協会「CMAとは」
CFA Institute「CFA Program」
日本商工会議所「簿記2級」
日本FP協会「CFP®資格とは?」
国土交通省「宅地建物取引士の登録について」

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